私たちの暮らしは、"分子"によって成り立っています。病気を治す薬、スマートフォンの有機ELディスプレイ、軽くて丈夫な炭素繊維の構造材料——これらはすべて、化学者が分子の性質を理解し、新たな分子を設計・合成することで生み出されてきました。では、分子はなぜそのような性質をもつのか。どうすれば望みどおりの分子をつくることができるのか。この問いに挑み続ける学問が、化学です。
化学の最大の特長は、"物質を理解する"だけでなく、"物質を創り出す"ことができる点にあります。自然界に存在しない分子であっても、原子と原子の結合を自在に操ることで、この世に新たな物質を誕生させることができます。ひとたび新しい分子が生まれれば、それは新しい材料、新しい薬、新しいエネルギー源へとつながる可能性を秘めています。化学は、自然の法則を深く理解する基礎科学であると同時に、人類の未来を切り拓く創造の学問でもあるのです。
高校で化学を学ぶ中で、「なぜこの反応は進むのだろう」「この分子はなぜこんな形をしているのだろう」と疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。大学の化学は、その「なぜ」を原子・分子のレベルから一つ一つ解き明かしていくものです。筑波大学理工学群化学類では、有機化学、無機・分析化学、物理化学の基幹3分野を軸に、それらの境界領域も含めた幅広い化学を体系的に学ぶことができます。3年次には週の半分が実験実習に充てられ、自らの手で化学の原理を確かめる経験を積み重ねます。
そして4年次には研究室に配属され、まだ誰も答えを知らない問いに自ら挑む"研究"が始まります。筑波研究学園都市に位置する本学は、周辺の研究機関とも連携した世界水準の研究環境を備えています。講義や教科書で学んだ知識を武器に、自分自身の手で未知の領域を切り拓いていく——それが研究の醍醐味です。
化学を学んだ先には、多彩なキャリアが広がっています。大学院に進学してより深く研究を追求する道はもちろん、化学メーカー、製薬企業、電機メーカー、公的研究機関、教育現場など、化学の知識と思考力を活かせるフィールドは驚くほど幅広いものです。
化学は、知れば知るほど面白くなる学問です。ひとつの疑問が解けると、その先にまた新しい謎が現れる。その連鎖の中に、きっと皆さんだけの発見があるはずです。ぜひ筑波大学理工学群化学類で、一緒に化学の面白さを体感しましょう。皆さんとお会いできる日を楽しみにしています。
自然界における普遍的な法則と未知物質・未知現象の探求、機能性物質の創製と材料開発、環境問題やエネルギー問題の解決、生命現象の分子レベルでの解明などに必要な基礎的で幅広い化学の知識を有する人材を育成します。その上で、これらの知識と理解に裏打ちされた柔軟な思考力と国際的に活躍できる能力を有する人材の育成を目指します。
4年間で化学の専⾨性を養えるように、基礎から専⾨への積み上げ型の教育課程を編成・実施します。講義と実験を中⼼とした授業科⽬を設置するとともに、学⽣が能動的に学習に取り組めるようにするための演習科⽬や、化学に関する総合能⼒を養うための卒業研究を設置しています。
授業科⽬毎に到達⽬標を設定し、講義では、期末テストや⼩テスト、レポート、プレゼンテーション等により、実験実習では、レポートや実験に取り組む姿勢・質疑応答等により、総合的に達成度を評価します。
筑波大学学士課程の教育目標に基づく修得すべき知識・能力(汎用コンピテンス)を修得し、かつ本学群・学類の人材養成目的に基づき、学修の成果が次の到達目標に達したと認められる者に、学士(理学)の学位を授与します。
化学類は、魅力的な先生方や優秀な友人たちのおかげで化学を学ぶための素晴らしい環境が整っています。「なぜ?」の答えが次々わかり、新たな疑問が次々生まれる、そんな場所です。有機・無機・物理・放射・生物・分析・計算化学…と様々な化学にふれられるので、毎日ワクワクすること間違いなしです!化学類での生活は他にも、部活動やアルバイトに励んだり、教員免許を取得できたり、自分次第でいくらでも充実されられます。ぜひ化学に魅了される4年間を送りましょう!
大学以降の化学では、議論に「エネルギー」という単語が多々現れます。エネルギーには主に並行論におけるGibbsエネルギー、速度論における活性化エネルギー、量子論における分子軌道エネルギーがあり、これらは物理化学で学習します。有機化学、無機化学などの分野は物質世界の事象を人間が区分しただけに過ぎず、分野に関わらずエネルギーは物質の振る舞いを理解するための強力な武器になります。エネルギーに注目してみると、化学をより見通しよく、楽しく学べると思います。