筑波大学 理工学群 化学類

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化学類での化学研究
錯体化学の最前線

 金属錯体は金属イオンと有機配位子からなる化合物であり,自然界や現代社会において反応触媒や機能性物質として重要な役割を担っています.最近,金属錯体の構造や電子状態を精密に制御設計することができるようになりました.また,金属イオンを組織的に集合させることにより,個々の金属イオンの特性が相乗的に機能する物質も合成され,その高度に設計された分子システムの化学的・物理的機能にますます期待が高まっています.錯体化学者は,未知の構造と機能に魅了され,日々物質合成と機能探索を続けています.

Fig.1(a)光と電場で磁性を変換で
きる 鉄・コバルト錯体



(b)高効率光酸化触媒反応の活性
種と なるルテニウム錯体
(DFT最適化構造)

超分子化学

 超分子化学は、水素結合や静電的な引力、ファンデルワールス力、水と油が分離する疎水作用など、分子と分子の間に働く弱い相互作用によって形成される超分子を扱う分野で、分子が分子を捕まえる化学、分子が集まって特別な機能を発揮する集合体の化学ともいえます。たとえば、二重らせんのDNAやタンパク質の集合体、液晶、生物にいたるまで超分子の一種ですから、超分子化学は基礎化学から生命科学、材料科学に及ぶ幅広い分野と深く関係し、近年めざましい発展を遂げています。特に、人工酵素、人工のホルモン受容体、分子センサー、バイオイメージング、ドラッグでリバー、さらには2016年のノーベル化学賞の対象となった分子マシーンなど、非常に複雑で魅力に溢れた超分子の研究が盛んに行われており、今最もホットな科学分野の一つです。

Fig.2 分子が分子を認識してできあがるインターロック型超分子



Fig3アドレナリンを捕まえる人工レセプター
精密有機合成

 有機化合物は三次元構造をもっているため、その多くは空間における原子の配列だけが異なる立体異性体から成っています。医薬品は立体異性体により効力が異なるため、その合成には、立体異性体や位置異性体などを自由に作りわける手段である精密有機合成が不可欠です。厳密に決められたある特定の立体構造をもつ化合物を正しい分子設計理論にもとづいて合成するのが、有機合成化学です。

生物現象を化学の目で見る

 生物の関わる現象の多くは化学物質によってコントロールされています。個体内あるいは個体間の情報伝達物質(ホルモン、フェロモンなど)や生物内に存在する様々な生物機能物質(生物毒、抗生物質など)を化学の目を使って研究する分野が生物有機化学や生物無機化学です。最近では生命現象を分子レベルあるいは分子集合体レベルで解明できるようになってきました。これらの研究は、我々の福祉に直接関わる医薬品や農薬などの開発研究を支える基礎を提供するとともに、生物現象をいっそう深く理解するための大切な情報となります。

Fig.4 ワラビの発癌物質の構造

ソフトマターの物理化学 

 人間は古来、物質を「道具」の材料として利用してきました。その多くは、天然高分子を除くと、セラミックスや金属などの固い物質であり、高分子や液晶に代表される「やわらかい物質(ソフトマター)」の利用が本格化したのは20世紀の後半になってからです。たとえば、代表的なソフトマターである液晶を抜きにして現代の暮らしを想像することは難しいでしょう。また、私たちの体を作っている生体膜も代表的なソフトマターです。ソフトマターは、たくさんの分子が自発的に集まって複雑かつ柔軟な構造を作り出し、固い物質にはない性質を示すことを特徴としています。この仕組みを解明し、制御する方法をみつけることは、新材料の開発だけでなく生命の仕組みを明らかにすることにも繋がっています。

超高速化学反応の追跡

 物質と光の相互作用としては、ホタルの光、アサガオの開花、また、目で物をみる現象である視覚等の多くの身近な現象があります。分子は光エネルギーを吸収して励起状態になり、反応活性になります。レーザー光を用いると特定の分子のみを狙い打ちして高速で反応を起こすことが可能です。ごく短い時間内(ナノ秒 ns=10-9s、ピコ秒 ps=10-12s)の吸収スペクトルや蛍光スペクトルの変化を測定し、励起状態や反応中間体の振舞を明らかにし、超高速反応も追跡することができます。